歯周病とは、歯と歯茎の境目についた歯垢(プラーク)から、歯の根にそって歯周病菌が入り込み、歯を支えている周りの組織をじわじわと壊していき、最後には歯が抜け落ちてしまう病気です。
歯肉に炎症がおきた状態を歯肉と呼び、歯槽骨を支える組織全体が崩れてしまう病気を歯周炎といいます。
また、これらの病気は初期にほとんど自覚症状がないため、気付かない間に悪化させてしまうことがよくあります。
アクセス
【所在地】
東京都世田谷区砧
6−38−1
小田急線 祖師ケ谷大蔵駅 徒歩1分/駐車場2台完備
診療について
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歯周病
歯周病とは?
歯周病は「歯周ポケット」から始まる
歯肉に炎症が起きると、歯と歯茎の間の溝が生まれ、深くなります。
これを歯周ポケットと呼び、この溝は炎症の進行によってどんどん深くなっていきます。
歯周ポケットの中は酸素がなく、わずかな出血などから栄養が豊富なため、酸素の苦手な毒性の強い細菌「歯周病原性細菌」の良い住みかとなり、細菌による炎症と歯周ポケットの形成が繰り返されることで歯周病が進行していきます。
※健康な状態であっても歯と歯肉の上端部分には溝がありますが、これは歯肉溝と呼ばれるものであり、一般に歯周ポケットと区別されています。
全身疾患と歯周病の関係
- 呼吸器 … 肺炎・喘息・咽頭炎などを起こしやすくなります。
- 心臓・血管 … 致命的な心臓発作を起こすリスクが2.8倍となる相関性が証明されています。
- 子宮 … 早産(低体重出産)のリスクが7.5倍になる相関性が証明されています。
- 糖尿病 … 歯周組織の感染症や炎症はインシュリン抵抗性を高め、血糖値のコントロールが困難となり、結果として糖尿病が悪化します。
歯周病は、「沈黙の病」などと呼ばれるように痛みなどの自覚症状が出にくく、それが災いして予防を怠ったり、進行が進んでしまうことが往々にしてあります。
しかし、歯垢をきれいに取り除けば、歯肉炎の段階なら症状は改善することができます。
また、歯周炎になっていても進行を止めることは可能ですので、しっかりと治療することが重要です。
歯周病の治療法
プラークコントロールは歯周病のもっとも基本的な治療法です。
病原性プラークを除去することで口の中のプラークを正常なレベルに維持し、無害な細菌グループが支配的になる環境を整えることが重要です。
そのために通常、ブラッシングの指導と歯垢や歯石の除去が行われます。
その後、麻酔し初期の治療でとりきれなかった歯周ポケットの歯石を取り除く治療を行います。
歯周ポケットの非常に深いところについた歯石は、歯茎の切開手術にて歯垢を取り除く必要があります。
手術で歯周病を治す
歯周病の治療で歯茎を切開することがあります。歯茎にメスを入れる目的は主に次の3つです。
手術の目的
- 1.深い歯周ポケット内部の清掃
- 2.破壊された骨や歯肉のかたちの改善
- 3.再発予防のための歯肉の改善
歯周病が進行した場合は
以前は進行した歯周病では歯を抜く以外に方法はありませんでしたが、次の方法が開発され歯を残すことが可能となってきています。
GTR法(歯周組織再生誘導法)
失われた歯根部の周りを特殊な膜(ゴアテックス)で覆い、歯肉の進入を防いで、歯槽骨(歯の土台となる組織)を再生させる方法です。歯周病の予防
歯肉炎の段階では、歯周病は口の中の健康管理を積極的にケアすることでよくなります。
しかし、ある程度症状が進行している場合には、出来るだけ早めに診察を受けることが重要です。
また、歯周病はかかり始めは自覚症状があまりない病気ですので、検査をうけて症状について勉強しておくことも大切です。
歯周病の検査方法
プロービング検査
プローブという道具を使い、歯周ポケットの深さを調べることができます。X線写真による検査
X線写真によって歯の周りの骨の溶け方を調べることが可能です。カラー写真撮影
数値で表すことが困難な歯肉の色や形を正確に記録し、状態を確認することができます。
正しいブラッシングの方法
歯ブラシの持ち方
歯ブラシはえんぴつを持つように磨くと毛先の余分な圧力がかかりません。ただし、歯ブラシに決まった持ち方はありませんので、難しい場合は楽に磨ける持ち方を探しましょう。
歯周病に効果的なブラッシング方法
バス法
歯ブラシの毛先を根の方向に45°に向けて前後に小刻みに動かします。
これにより、歯と歯肉の境目の清掃/また歯肉の改善に効果的です。
ローリング法
歯ブラシを歯茎にあげ、上の歯は上から下へ、下の歯は舌から上へ向かって歯ブラシを回転させるようにして磨きます。これにより、歯の表面の汚れや歯垢の除去に加え、歯茎のマッサージ効果も期待できます。
歯ブラシの選び方のポイント
大きさ
大きい歯ブラシでは動きがスムーズにはいきません。
使う人の上の前歯2本分くらいの、小さめの歯ブラシを選ぶことで、歯の奥までとどくような細かい動きが可能となります。
硬さ
やわらかめがおすすめです。
ブラッシングの補助的用具
どうしても歯ブラシの毛先が届かない歯と歯のすき間などの場所に歯間ブラシや糸ようじ(デンタルフロス)を使用し、お口の清掃をすると良いでしょう。以下がおすすめです。
歯周病に効果的なブラッシング方法
1.歯間ブラシ
細い針金の周囲にブラシをつけたようなものです。
歯ブラシの毛先が入りにくい歯と歯の間や、歯茎周りをきれいにすることができます。
隙間に入れて前後します。かなりの歯垢や食べかすがとれると思います。
サイズはいろいろありますので、自分にあったものを選び、無理に入らないところには入れないようにしましょう。
2.デンタルフロス(糸ようじ)
ナイロンの糸を歯と歯の間にすべらせるようにいれて、歯垢や食べかすを取り出します。
歯間の狭いタイプの人にお勧めです。
3.ウォーターピック
水をノズルの先から勢いよく発射し、歯についた汚れを洗い流す機器です。歯ブラシの届かない歯周ポケットの溝内の汚れを洗浄することが可能です。
しかし、歯に付着した歯垢や歯石を洗い流すことはできません。